画家あれこれ12 2015.2.5 NEW        

これだけ知っていれば結構イケマス シリーズ VOL.2

名場面集

<受胎告知>編

天使が結婚前のマリアに神の子を身ごもったと伝えるシーン。

レオナルド・ダ・ヴィンチ作       <受胎告知>


西洋絵画の中で、

 

右側のの衣女性。


左側に天使がユリを持っていたら


その絵は間違いなく

 

《受胎告知(じゅたいこくち》


です!!

 



20代のレオナルド・ダ・ヴィンチ

 

が描いた下の作品は、

 

2007年に日本でも公開され、

 

大きなポスターがあっちこっちに

 

貼られていたため、

 

見覚えがある方も多いのでは。

 

1475-1478年頃 板/油彩+テンペラ 98×217cm                                   <受胎告知>レオナルド・ダ・ヴィンチ作
1475-1478年頃 板/油彩+テンペラ 98×217cm                  <受胎告知>レオナルド・ダ・ヴィンチ作



こちらは、≪ヴィーナスの誕生≫


描いたボッテチェの作品。


1489-1490年 テンペラ 150×156cm ボッティチェリ作        <受胎告知>
1489-1490年 テンペラ 150×156cm ボッティチェリ作        <受胎告知>


これも


1333年 テンペラ 184×210cm  マルティーニ作
1333年 テンペラ 184×210cm  マルティーニ作

これも


1440年代 壁画(フレスコ)230×321cm          フラ・アンジェリコ作
1440年代 壁画(フレスコ)230×321cm          フラ・アンジェリコ作


 

み~んな<受胎告知>。

 

若干の違いやグッズの違いは

 

ありますが、なんとなく

 

パターンが観えてきませんか?!


天使ガブリエルが白百合を

もっているところ。

天使には、羽が生えていて、

頭には

<天使の輪>が描かれています。

 

今から2000年以上前に、

 

大天使ガブリエル(天使の中


でも偉い)が神の子を宿したと、

 

結婚前のマリアに告げにくる、

 

“えっ えっ え~” の

 

とてつもないシーンです。

 

信仰を持っている方にとっては、

 

神聖な場面であり、

 

そうでないに方は、

 

大切にしている人が沢山いる場面

 

だな。と想像力を膨らませると、

 

遠い世界のお話も、

 

ちょっぴり身近になってくるかも。

 

 

西洋絵画は、キリスト教とは

 

切っても切れない間柄。

 

紐解いていくと、

 

色々な面が見えてきます!

 

 

 

さて、キリスト教の絵画には、

 

アトリビュートと呼ばれる

 

目印の品物沢山あり、

 

いくつか覚えておくと

 

とても便利です。

 

例えば、恵比寿さまならとか。

 

米俵を持っていたら、

 

大黒様みたいな感じです。



持ち物検査みたいですが、

 

<受胎告知>便利な


アトリビュートをご紹介。


<白百合>

古くは、キリストの象徴。

後に、白百合は聖母マリアの象徴になります。

花瓶にはいっている、白百合も時々あります。

<小窓>

奥の部屋の小窓は中世のマリアさま

の象徴

<庭にある塀>

聖母マリアの処女性の象徴

<オリーブ>

白百合が一般的になる前は、

オリーブや杖・棕櫚(しゅろ)

も聖母マリアの象徴として、よく用いられる。

オリーブは平和

杖は権威

棕櫚は処女性の象徴

 

<鳩>

聖霊

 

<本>

旧約聖書の預言書

<イザヤ書>を開いている。


このあたりを押さえると、


ちょっと捻った作品も

 

みえてきます~

 

1590-1603年頃 油絵 109.1×80.2    エル・グレコ作
1590-1603年頃 油絵 109.1×80.2    エル・グレコ作
1434-1436年 油彩 73×37cm     ファン・アイク作
1434-1436年 油彩 73×37cm     ファン・アイク作


ね!!

 

これを踏まえて、

 

お告げを受けた、マリア様

 

表情をもう一度見てください。

 

それぞれの画家が、

 

時代が

 

伝えたい事が

 

きっと見えてきます!!

 

美術館や画集でもぜひ、

 

じっくり楽しんでくださいね。

 

 

みる人それぞれに、

 

様々な問いかけをする絵画ですが、

 

 

すべての存在の中で

 

 

主人公であるマリアだけが、

 

 

この後、起こる事を

 

 

何も知らない。”

 

 

 

という凄まじさに

 

信仰とは別の視点で

 

打ちのめされてしまいます。

 


2000年も経った後の世の

 

"あなた"も”私”も知っているのに。

 

 

 

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次回は、聖母マリアの青い衣についてです。

 

お楽しみに!

 

 

「嬉しい!!ホントに描けた~!!」の声が続出。

えんぴつ1本ではじめる絵画教室は

コチラから⇒<えんぴつで名画>